2024/02/20
地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会(交通議員懇)は2月14日、近藤昭一会長(衆議院議員)、森山浩行副会長(衆議院議員)、牧山ひろえ副会長(参議院議員)、鬼木誠事務局長(参議院議員)はじめ衆参議員86人(代理含む)の参加を得て総会を開催し、地域公共交通(公共交通)再生にむけた課題や政策等について意見交換した。自治労からは、石上千博委員長、山﨑幸治副委員長、森下元総合政治政策局長、氷室佐由里政策局長、都市公共交通評議会の福田智議長、松岡真二副議長、佐田悟副議長、青山浩二事務局長が参加した。
冒頭、近藤交通議員懇会長があいさつし、「利用者の減少や深刻さを増す人員不足等によりバスを中心に減便、路線廃止の動きが加速している」と述べ、地域住民の移動をどのように確保するか、地域住民の移動に不可欠な公共交通の維持・確保が喫緊の課題となっていることを強調。「公営・公共交通に従事する自治労都市交評の皆さんと連携して議員懇として対応を強化していきたい」と述べた。
自治労を代表してあいさつした石上委員長は、「地域の公共交通はじめ公共サービスを確保するためには、まずは人材不足問題を解決しなければならない」と述べたうえで、バスやタクシー等の競争、競合問題の根本には新自由主義的な考え方があり、この点を踏まえて議論、解決していくことが重要である」と強調した。
引き続き、青山事務局長が公営・地域公共交通の現状と当面の課題を提起。バス運転者はじめ人員不足の解消、地域公共交通崩壊につながりかねないライドシェア導入反対、カーボンニュートラルに関わる予算増額など公共交通の維持・確立にむけた予算拡充等を訴えた。
参加議員からは、ライドシェア、バス運転者の人員確保、クロスセクター効果、バスの公設民営など公共交通が当面する課題、対策について発言があり、意見交換、共有化をはかった。
意見交換を受けて都市交評の福田議長は、公営・地域公共交通の課題や再生について積極的な意見交換が行われたことへの謝辞を述べたうえで、「バスの人員不足問題は、バス運転者という職種が魅力ある職種ではなくなったということである」と強調。「大型二種免許の取得年齢の引き下げなどの施策も重要だが、何よりもまず生活できるよう賃金の大幅な改善が急務である」と述べ、「人」への投資を強く訴えた。
最後に、近藤会長が「地域の公共交通は住民生活にとって必要不可欠な公共サービスであり、人員不足の解消など再生にむけて引き続き、交通議員懇と自治労が連携して取り組んでいこう」と訴え、総会を終了した。