2024/02/20
要求書を手交する西山議長(左)と笹子課長(右)
国保労組協議会は春闘期、国保連職場における制度政策課題等について、厚生労働省・国保中央会に対し、職場基盤の確立を求める要求書を提出し交渉を行っている。
各都道府県国保労組は、この中央交渉の結果を受けた取り組みとして、厚生労働省・国保中央会の回答内容を雇用や賃金・労働条件、人員の課題など労使の対立軸につなげた上で、使用者に臨む態度を質している。
厚生労働省交渉
国保労組協議会は2月16日、厚生労働省交渉を実施した。国保労組協議会は西山議長、陳野事務局長、自治労本部の比田井強化拡大局長が出席し、厚生労働省は保険局国民健康保険課の笹子課長、内海国民健康保険指導調整官が対応した。
冒頭、西山議長が笹子課長へ要求書を手交した後、陳野事務局長から各要求項目について趣旨説明を行い、重点項目として、①審査支払機能に関する改革工程表への対応に要する財源確保、②国保総合システムの保険者共同処理系と国保事務処理標準システムとの機能分担に伴う被保険者サービスの低下防止対策、③社会保険診療報酬支払基金改組後の組織と国保連合会・国保中央会のあり方に関する検討状況の解明、④社会保険診療報酬支払基金とのシステム共同利用機能の共同開発における公平・公正な調整役、などを求めた。
これに対し笹子課長は、①「国保中央会等の負担状況を踏まえつつ、必要な費用を精査した上で、必要な支援が行えるように努めてまいりたい」、②「適切なシステムのあり方ついては、国保保険者はもとより、国保連合会・国保中央会の意見も踏まえながら慎重に検討してまいりたい」、③「国保連合会・国保中央会に相談させていただくような状況には未だ至っていない」、④「最大限に効率化したシステムの実装と運用コストの縮減を基本方針とした上で、公平・公正な調整役を果たしつつ、検討を進めてまいりたい」と述べた。
国保労組協議会は厚生労働省交渉に引き続き、国保中央会交渉を実施した。国保中央会は稲垣理事、松岡事務局長、檜山事務局次長が対応した。
国保中央会との交渉
国保中央会に対しては、要求書の手交と各要求項目の趣旨説明に加えて、国保中央会へ派遣中の組合員に対するアンケート結果を踏まえ、「カスハラ被害の訴えが寄せられている」と報告し、カスハラへの対応方針策定や、カスハラを「しない、させない、許さない、見過ごさない」ための研修実施、カスハラ防止対策として電話機への録音音声ガイド機能付与、などを検討するよう求めた。
これに対し稲垣理事は、「要求内容は受け止めた。財源確保を含めた改革工程表への対応、国保総合システムの最適化などでは、国保保険者や国保連合会の事情が十分に反映されるよう国へ働きかけてまいりたい。また、派遣組合員の健康管理には引き続きしっかり取り組んでまいりたい」と述べた。
厚生労働省・国保中央会それぞれ、要求に対する回答交渉は3月8日に行うことを確認し、交渉を閉じた。