2024/03/04
久留米市の報告をした、市民団体の中村路子さん(左)、翁昌史さん(中央)と久留米市労連の秋山太さん
自治労・社会福祉評議会は2月23~24日東京で、「くらしとこどもの福祉を考える全国集会」を開催。4年ぶりの完全対面方式で開かれ、全国から144人が参加した。
生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の今国会での法改正が予定され、改正児童福祉法がこの4月から施行されるなど、セーフティーネット、児童相談・養育にかかる制度への注目が高まっている。
こうした中、生活保護業務および生活困窮者自立支援事業に従事する組合員と、児童相談所、児童家庭支援センター、児童養護施設、保育所、学童保育等の組合員が、政策理解を深めるとともに現場の課題と悩みを共有し、実践経験を交流した。
集会1日目の全体集会では、2つの講演を受けた。講演①は、福岡県久留米市の生活困窮家庭などへの「重層的支援体制」の活動の報告。行政によるフォーマルなサービスと、市民団体等のインフォーマルな力を連携させ、重ね合わせる地域福祉を構築してきた実践過程が、市民団体と行政の双方の立場から語られた(写真)。
講演②では、貧困問題と児童虐待をめぐる国の政策動向を、獨協大学の和田一郎教授が厳しく批判。「現場での問題を職員個人の責任にするのではなく、マクロ政策の問題と捉えるべき」とし、責任を自分たちだけで負わない、働きやすい職場をめざすことを訴えた。
2日目は、「生活保護・生活困窮者自立支援」と「児童相談・社会的擁護」の2つの分科会に分かれ、厚生労働省や子ども家庭庁の担当課などからの講演とグループワークを行った。
機関紙じちろう2024年3月1日号より転載