大量退職後対策の協議、研修所・シミュレーターを視察◇神戸市交通局で鉄軌道部会を開催◇

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大量退職後対策の協議、研修所・シミュレーターを視察◇神戸市交通局で鉄軌道部会を開催◇

2024/08/06

 自治労都市公共交通評議会は、7月10、11日の2日間、神戸市交通局において鉄軌道部会を開催した。
 今回の部会は、新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類に移行してから1年経過後における乗車人員の状況や増員に向けた対策、今後の大量退職後の対応などの課題を共有化し、それらを踏まえ2025年度の国土交通省予算に関わる要請内容の協議等を目的として開催。あわせて、地下鉄職員研修所に設置の“運転シミュレーター”等を体験、運手指令室視察では神戸市交通局の地下鉄における安全輸送の対応を学んだ。

神戸市交通局の歴史に学び、各単組共通の職場課題を議論(10日、第3回部会)

 冒頭当局より「神戸市交通局の歴史」について説明を受けた。1917年に創設された神戸市交通局は、第二次世界大戦時の空襲で輸送機能の多くを失ったこと、阪神大震災の発災時にはいち早く運行を再開するなど、これまで街の復興に貢献してきた。そして、市民の暮らしと産業の近代化、市域拡大に大きな役割を果たし、都市機能の一部として神戸の発展に貢献してきたことが紹介された。
あいさつをする松岡鉄軌道部会長
 会議では、「コロナ禍後の状況」や「定年延長、大量退職、新人養成の対応」、「採用・欠員状況」について各単組から報告を受けた。インバウンドによりコロナ禍前を上回る回復を見せている単組がある反面、9割程度の回復にとどまり、2024年度から始まった「コロナ特別減収債」の償還により厳しい経営状態にある単組。助役など指導職となることを嫌う傾向や、大量退職に備えて多めに採用をはかっているがうまく進んでいない、定年延長や再雇用、新規採用の欠員など養成の課題も含め協議をしている。技術関係職員は募集しても応募が少ない、合格後の辞退者、離職が増加しているなど、技術の習得・伝承が難しいなど各単組が共通して抱える課題が報告された。

横交占部部員(左)と札交長瀬部員
(右)から現場実態の報告をうける
 また、熊本市交通局労組からは全国ICカード決済を廃止することについて報告があり、「利便性の低下を招き、利用者の減少につながる恐れがある。国などにも更新費を含めた支援を求めていきたい」との要望があり、各単組が課題の共有化をはかった。

シミュレーターと運転指令区を見学(11日、車両基地見学)

 2日目は名谷車両基地に移動し、地下鉄職員研修所では西神・山手線で運行している「6000形」の実車カットモデルにより、運転席から見る映像によるシミュレーターを体験した。地上走行部分では雨や降雪、地震を想定した緊急停止対応実習も設定され、路面電車の運転士のみならず、日頃地下鉄を運転している部員も細心の注意を払いつつ駅に停止させる体験をした。交通局では、あらゆる状況を再現できることから、シミュレーターでしっかり経験することにより、運転士養成に大いに役立っているとの現場実態を共有した。
シュミレーターの説明に聞き入る
 運転指令区では、運行中の電車の状況を把握することはもちろん、すべての駅ホームをモニタリングし利用者の安全と安心を常に見守っていること、また、緊急時や遅延には職員が一丸となり関係各所と連携をとり、安全第一に事態に対処していることなどの説明を受けた。
 今回見学した施設はシミュレーターを備えるなど特殊な施設であり、またなかなか入ることのできない指令区を視察できたことなど、部員の多くにとっても初めての体験となった。
 地下鉄、路面電車、モノレールと業態は違うものの、多くの課題を共有し、単組間の連携を深め運動を継続していくことを確認し終了した。

全参加者で集合写真

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