2024/08/08
現業評議会は8月7日、かねこ恵美衆議院議員(立憲民主党:農林水産委員会所属:福島一区選出)に対し、試験研究場における現業職員の必要性や試験研究に必要な予算措置を求めた。農林水産・畜産分野の試験研究の課題については、現業評議会として農林水産省に対して予算要請を行っていないことから、かねこ恵美議員に現場実態を伝え、研究環境の整備を含めた、現場で「活用しやすい予算」の確保を訴えた。
試験研究場では、各地域のブランド品種をはじめとした独自の研究成果向上のための業務を担い、現業職員は試験研究に欠かすことの出来ない圃場管理や畜産の対応に従事している。しかし現業職員は、退職不補充のため人員不足の状況が続いている。その結果、日常業務の維持が困難になり、豚コレラや鳥インフルエンザなどの発生による緊急事態対応においては、現場では対応者の不足やノウハウが継承できないなどの深刻な課題が生じている。また、施設では老朽化が進み、さらに備品や機材などが適切に更新ができていないなど、現場の環境改善が大きな課題となっている。
職種別「ウェブ学習会」で集めた課題
今回の要請は、現業評議会が今年度から行っている職種別の「ウェブ学習会」をきっかけとしている。「試験研究職場」の学習会は7月31日に行われ、その際に行った意見交換において、慢性的な人員不足や施設の老朽化の課題を共有し、政府や国会議員に対して訴えていく必要性を確認した。
現業職員の業務は多岐に渡り、職種によっても課題が異なるため、喫緊の現場課題の共有と今後の取り組みについて、病院現場、保育調理、焼却施設、介護現場、道路維持、試験研究の計6職種で学習会を行った。これまでも、学習会での意見交換を通じて現場課題を把握し、各省庁への要請行動時にはそれらの意見を現場実態として訴えている。