2025/03/13
Zoomでインタビューに答える平山辰雄さん(仙台市働く連)
1月28日に埼玉県八潮市で下水道管が破損し道路が陥没する大事故が発生しました。
原因はまだ不明ですが、老朽化し腐食した下水道管が破損したことによると思われます。下水道管の総延長は49万km。うち標準耐用年数50年を超える管が約3万km(7%)と言われています。いつどこで、八潮市のような大事故が起きてもおかしくないのです。
今回、自治労・報道担当は、公営企業評議会全国幹事の平山辰雄さん(仙台市働く連)とアポを取り、事故発生後の水道職場の様子を伺った。
今回の事故の発生を受けて国土交通省は、7都府県13箇所の流域下水道管理者に対し、下水道管路施設の緊急点検を要請しました。要請の対象ではありませんが仙台市でも2月3~5日、緊急点検を行い、とくに問題はありませんでした。
点検内容は、マンホールの蓋を開けて目視で確認し、調査車両を走らせて道路の下に空洞がないか調べるというものです。他都市においても同様の点検が行われていると思います。下水道管の劣化状況を確認するためにも点検が必要です。
現時点では、水量の多い下水道管を点検する手法は確立されていません。また、点検調査には人員が必要です。技術者を確保し、現場の経験と知識、技術を継承することが必要なのです。しかし、下水道の職場は人員が減り続けています(下グラフ参照)。
国は、2027年度以降に汚水管の改築の補助金を受けるには「ウォーターPPP(本ページ下部に説明あり)」の導入を条件とするとしています。今後、ますます下水道設備の老朽化が進む中で、今回のような事故を防ぐためには、補助金の要件の緩和こそが必要だと、自治労は主張しています。
今回の事故を機に、普段考えることのない「排水口の向こう側」のことを、皆さんも考えてください。
*「ウォーターPPP」とは
PPPとは官民連携(Public-Private-Partnership)。地方自治体と民間企業が協力し上下水道等の維持管理・改築修繕計画の策定や事業運営を行う、民営化の一形態。
(機関紙じちろう2025年3月15日号より転載)