2025/04/24
4月24日、自治労本部(平山春樹衛生医療局長、比田井修強化拡大局長、佐藤久美子政治局長)は、岸まきこ参議院議員、波多野翼衆議院議員とともに、公立・公的医療機関の経営状況と必要な支援について、厚生労働省と意見交換を行い、喫緊の課題と要望を伝えた。
厚生労働省は2024年度補正予算において、物価高騰などにより経営が急速に悪化している医療機関を対象に、「医療施設等経営強化緊急支援事業」を実施している。この事業では、病床数の適正化(削減)を行う病院に対し、1病床あたり410,4万円の給付金を支給するものだ。
厚生労働省が行った病床削減の事前意向調査において、全国の医療機関から約5.4万床の病床削減申請が提出された。このうち、公立病院・国立病院は約200病院・約8,000病床にのぼる。申請数が予算を大幅に上回ったことから、4月11日に発出された第1次内示では、一般会計から繰り入れのある公立病院が支援の対象外とされた。また、支援額についても上限を設定し、削減病床数は1医療機関につき50床までと限定されることになった。このため、病床削減による補助金を見込んでいた病院にとっては、経営計画に大きな影響を及ぼすことが懸念される。
一方で、病床数の見直しは、本来は地域の実情を踏まえ検討していくものであり、地域医療構想に基づくこれまでの取り組みにより、すでに多くの地域で病床数の適正化が進んでいる。そうした中で、経営悪化への対応として病床削減が進む現状は、地域医療の維持・継続に深刻な影響を及ぼす恐れがある。
自治労からは、公立病院の多くが深刻な赤字を抱えている現状を伝えるとともに、地域医療提供体制を守るためには物価・人件費高騰に見合った診療報酬改定とそれまでの間の財政支援が不可欠であること、あわせて医療従事者の処遇改善が急務であることを強く訴えた。