2017/01/31
自治労大阪府本部が参加する「大阪交通政策推進協議会」は、1月27日、大阪・梅田の繁華街で、駅員や乗務員に対する暴力行為の撲滅を訴えた。
日本民営鉄道協会(民鉄協)によると、大手私鉄16社の駅員や乗務員らに対する暴力行為の件数は、昨年1年間で792件に上っている。
加えて、都市交評の交通職場などからは、職員に対する差別的発言なども含め、事件化されていない事象はこの数倍に及ぶことが報告されている。
民鉄協では、大阪交通政策推進協議会と同様に、第三者暴力行為の撲滅にむけてキャンペーンを行っている。駅では、ポスターを貼るなどしてアピールを強化しているが、現状では、鉄道係員・路線バス運転手に対する第三者暴力行為は悪質化しているという。集計では、加害者の63%が飲酒をしており、暴力行為の発生は、22時以降に集中している。飲酒などによる心の緩みが暴力行為を起こし、時として運行に重大な支障をきたすこともあると電鉄・バス各社は注意喚起を続ける。
一方で国の取り組みも進む。
国交省は自治労の要請に対し、「第三者暴力は犯罪行為であり、許されるものではない」と断じ、「鉄道係員に対する暴力行為の実態調査結果を踏まえ、警察等連携して啓発キャンペーン、警戒活動を強めるなど撲滅にむけて取り組む」としている。
第三者暴力行為への対策は焦眉の課題だ。
行動に参加した大阪交通労組吉田執行委員は、「たった一度の暴力が、大切なものすべてを失うかもしれない」と暴力行為撲滅を強く訴えた。
「自治労大阪府本部」「私鉄総連関西地連」「JR連合」の3産別は、これまでにも同様の街頭行動を市内各所で展開。今後も、「大阪交通政策推進協議会」の枠組みを活かし、第三者行為対策のみにとどまらず、大阪における様々な交通政策課題について、継続して協議し取り組みを進める。