2017/04/18
公営企業評議会は4月14~15日,岐阜・長良川国際会議場およびワークプラザ岐阜にて標記集会を開催し,41県本部220人(男性214人,女性6人)が参加した。
冒頭、佐藤議長の主催者あいさつの後、杣谷副委員長があいさつとして、春闘の取り組み、臨時・非常勤等職員についての地方公務員法改正の状況と附帯決議など自治労の取り組みなどについて述べ、さらに地元岐阜県本部の櫻井委員長から歓迎のあいさつを受けた。続いて、奥野局長が基調提起を行い、公営企業の事業基盤の維持・強化が求められるなか、政府はPFI、コンセッション方式導入など事業運営の民営化を積極的に進めているなかで、公企評として、官民連携の課題を抽出し、対応方針を確立することが重要であることを強調した。また、広域的連携も含め、住民に事業の現状への丁寧な説明を行い、住民とともに地域のライフラインの将来像を作り上げていくことが重要であると訴えた。その後、下村水道部会長、村木下水道部会長、廣田ガス・県公企部会長(ガスG)、竹田ガス・県公企副部会長(県公企G)がそれぞれ部会・グループの活動報告を行った。
組織力で民営化に対抗を
休憩をはさんで其田茂樹地方自治総合研究所研究員から「公共サービスの今後~PFI/コンセッション方式・包括民間委託の現状と課題」と題した基調講演を受けた(トップ画像)。其田研究員は講演の中で、PFIやコンセッション方式について説明し、先行事例を通して、自治体側は民間事業者のノウハウや経営状態について開示を求めることが出来ず、不完全な情報で判断せざるを得ない可能性があること、住民や議会に不完全な情報をもとに説得的な説明ができるのか、などの課題を示し、自治労の規模と組織力で今後各地で行われる事例について、情報を共有することで対策を講じることが有力なのではないかと助言した。
2日目は、第1分科会(水道)、第2分科会(下水道・ガス)、第3分科会(県公企)の3つの分科会に分かれ、分野別の政策について討議した。
第1分科会では、厚生労働省水道課田村武志水道計画指導室長補佐を迎え、今国会に提案されている水道法の改正法案について説明を聞き、とくに水道事業の基盤強化にむけた広域連携や「官民連携」についての厚労省の考え方を質し、さらに澤田英樹前水道部会幹事が「岐阜県内の水道事業の現状と今後」と題し、高山市の水道事業の指定管理者制度導入の事例などを報告した。さらに大阪府の水道事業の広域統合について松本全国幹事が報告した。
第2分科会は、石川尚自治労大都市共闘下水道部会長が「大阪市における下水道事業の経営形態の見直しについて」、村木宏成下水道部会長が「浜松市の下水道事業のコンセッション方式導入と単組(たんそ)の取り組み」について報告し、今後想定されるコンセッション方式導入など下水道事業の経営・運営形態の変更にともなうサービス提供への影響や雇用・労働条件の変更などに対する単組(たんそ)の取り組みについて検討した。
第3分科会は、「既設水力の改修によるFIT適用と今後の公営電気事業への影響について」森山研司島根県企業局労委員長が報告し、その後①公営水力におけるFIT適用のメリット、デメリット、②公営水力の意義と今後について、グループに分かれて討議した。