2020/12/09
要請書を手交する福田議長(写真中央)とえさきたかし参議院議員(写真右)
都市公共交通評議会は12月9日、国土交通省に対して第2次政府予算要求行動を実施した。
冒頭、要請書の手交を行い、今国会から国土交通委員長に就任したえさきたかし参議院議員が本日の要請のお礼と「地域ごとに多種多様な交通モードから成り立っている地域公共交通は、担い手不足やコロナ禍の減収において非常に厳しい状況にあり、当たり前の存在ではなくなってきているという現実がある。国土交通省においては、住民に対し、地域公共交通の重要性の理解を進める政策を作っていってほしい。また、総務省と連携して、地域公共交通政策を自治体にもっと定着したものにしていってほしい。」とあいさつし、その後、都市交評の福田智議長が「採算性を求められる公営交通事業において、新型コロナウイルス感染症による自粛等の影響が経営面を直撃した。企業のテレワーク等の移動を伴わない勤務体系が定着しつつあり、定期券購入率の減少などから、公民を問わず公共交通のあり方が見直されてきていると感じている。これからの公共交通のあり方を検討していく上で起点となる1年としていきたい。」と述べた。
その後、山田都市交通局長が要請の趣旨説明を行った。
それに対し、国土交通省の原田地域交通課長は、「今後もしばらく新型コロナウイルス感染症とのたたかいが続くと公共交通をめぐる情勢はさらに厳しい状況になってくると考える。地域公共交通活性化再生法の改正から、人口減少が進む中で、地域が主体となって公共交通を担っていくことをめざしているところである。本来であれば、数年かけて計画を作り、検討していくものだが、コロナ禍における経営状況の悪化により地方中小事業者が立ち行かなくなっていることなどを理由に全国的に前倒しで計画が進められている状況であるが、計画の作成段階で交通事業者が倒れていっている現状もある。国土交通省においては、計画の策定にむけて、しっかりと交通事業者が事業の存続ができるよう、様々な形で資金援助等のバックアップをしていきたい。」と回答。
また、「自治体が主体として行う、地方創生臨時交付金では国交省として各自治体に対して公共交通に活用するように促してきた。第3次補正予算で予定している同交付金の1.5兆円については、公共交通にも最大限使ってもらうよう尽力する。さらには、国土交通省の予算についても3次補正については2次要請を上回った額を要望している。財務省からは、バスなどにおける新型コロナウイルス感染症対策のために空気清浄や換気システム等の車載機器の開発なども進めていこうとしている。」と述べた。
これを受けて佐田議長が出身の京都市における現状について述べ、「交通事業者もエッセンシャルワーカ―と言われているものの、その社会的役割の重要性に対し、労働条件などにおいて多くの課題が残されたままとなっている。今後も引き続きこのような機会を頂き、現場の声を届けさせてほしい。」と発言し、本日のお礼を述べ要請行動を終了した。