2022/10/26
自治労は10月26日、自治労組織内議員の逢坂誠二衆議院議員と国保総合システムの更改等について意見交換を行った。自治労からは国保労組協議会櫛﨑議長と陳野事務局長、比田井強化拡大局長が参加した。(トップ画像は中央奥に逢坂議員)
まず、陳野事務局長から医療制度における審査支払機関の概要説明を行い、その上で政府方針に基づき実施する2024年度の「国保総合システム更改」と2026年度にむけた「支払基金と国保中央会・国保連システムの共同利用機能の共同開発」にかかる財政課題について説明した。
櫛﨑議長からは「国からは、システムの共同利用により将来的に費用の効率化がはかれると聞かされているが本当にそうなるのかの確証がなく、それまでにかかる財源の確保も約束されていない」と述べ、さらに陳野事務局長は「財源不足が起これば保険料・税の引き上げにつながり、市町村財政や住民生活にも影響が出てしまう恐れがある」とシステム開発の初期費用や、政府の方針を踏まえたクラウド化により一時的に増加する保守・運用にかかる費用に対し十分な国庫補助が必要であると述べた。
逢坂議員は、「問題点は支払基金と国保中央会・国保連システムの整合性・効率性の実現に係る財政とその効果である。政府は見通しが立たない中で事業を急がせている。自治体においても、これまでも財政効果があると見込まれてシステム統合等を行った結果、予算が増えたケースが多くある」とし、今後、厚生労働省からのレクチャーを求めて、その内容を踏まえた上で自治労と意見交換しながら対応を検討したいと述べた。
2024年度の次期国保総合システム開発費は総額約360億円、これまでの国保連積立資金等を全て充てても、なお、約100億円の財源不足が生じる見込みであり、少なくとも2023年度予算では50数億円の国庫補助が必要であるところ、厚生労働省は概算要求で事項要求としている。また、更改後の保守・運用に係る費用も政府の方針の影響により、2024年度~2025年度で毎年50億円弱増加する見込みであるが、財源確保の見通しは立っていない。
さらに、2026年度に向けた共同利用機能の共同開発費も、少なくとも2024年度開発費と同額程度の費用が必要であると考えられているが、現時点においては、財源確保できるか全く見通すことができない状況にある。