コトデンの再建から学び、単組間で重要課題の共有はかる~2025年度第1回鉄軌道部会を開催~

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コトデンの再建から学び、単組間で重要課題の共有はかる~2025年度第1回鉄軌道部会を開催~

2024/12/23

コトデンを走る、かつての名古屋市営地下鉄車両

 自治労都市公共交通評議会は12月12~13日、香川県高松市内で第1回鉄軌道部会を開催した。地下鉄・路面電車・モノレール事業の人員不足問題、安全対策、大規模災害への対応等喫緊の課題を中心に協議・意思統一をはかった。また、コトデン(高松琴平電気鉄道)の施設を視察し、バブル崩壊の影響で駅開発、バス事業の経営破綻からバス・鉄道事業が民事再生となり、再建に至るまでの困難をどのように乗り越えてきたか、同労組のたたかい、取り組みを学習した。

琴電労組で説明を受ける様子

たたかいの歴史を知り、自治体連携・事業「拡充」の今を学ぶ

 初日は労組の協力を得て、コトデンのたたかいの歴史を学習し、視察を行った。電車に乗り、バスターミナルと結節点として新設した駅(伏石駅)や複線化工事区間を視察。なお、コトデンでは、旧名古屋市営地下鉄車両も整備され現役で走っていた。(トップ画像参照)

 視察後、高琴労組の代表(池畑章伸特別執行委員)より講演を受け、この間、民事再生による厳しい再建に労組がどのように関わり、苛烈な賃金・労働条件を余儀なくされながら、組合員の雇用と生活を守ってきたかの報告をうけた。また、現在、まちづくりと連携した新駅整備、複線化事業及び車両の更新などの利用環境の改善にむけた事業を展開していると説明。厳しい経営状況の中、地域公共交通活性化再生法を活用し、国はもとより香川県、高松市から支援を受けながら、事業の「維持」にとどまらず「拡充」を推進していること、特に高松市とは、市民の足を守るために交通政策課を中心に協力しあい、支援を受けながら電車・バス事業の活性化のために共に歩んでいることも強調された。近年、維持・存続が危ぶまれる事業が多い地方鉄道において、コトデンの取り組みは特筆すべき先進例であり、都市交評関係鉄軌道事業にとっても大いに有意義な視察・調査となった。

駅で説明を受ける参加者

人員確保、豪雨による浸水対策の課題などを共有

 2日目の会議では単組報告を受けるとともに、それに関わる当面する課題や2026年度鉄軌道関係の政府予算に関わる要求事項について協議を行った。報告では、人員不足、育児、介護等の長期休暇の取得とそれに伴う欠員対策、豪雨による乗客、地下鉄施設の安全対策、駅職員の安全確保策等の課題が多く出された。長期休暇対策について、札幌からは「技術・整備、事務部門で代休要員がカバーできない」、横浜からは「駅職場では公休出勤等で対応している」、東京からは「休暇取得者が増加傾向にあることから余剰人員が確保できるような要員育成計画を毎年要求・交渉している」、などの状況、取り組みが報告された。長期休暇対策は最重要の人員不足問題に直結し、事業の存続にも大きく関わる課題であることから、単組間で緊密に情報交換を行い、本部・県本部とも連携し、引き続き解決に取り組んでいくことを確認した。

単組の現場実態を報告し合う

 近年、豪雨による地下鉄施設の浸水問題については、駅施設が一部無人化している現状も踏まえた対策を早急に強化すべきことを意思統一。現状、止水板を設置し浸水を防いでいるが、設置に数人を要する重量であり、無人駅を含めその要員確保が厳しいこと、さらに重大課題は止水板の高さを上回る程の豪雨が発生することなど、深刻な課題が明らかになった。乗客・職員のいのちをどう守るか、ごく一部に設置がとどまっている自動止水板の導入等を国や自治体に強く求めていることも確認しあった。

 最後に、2日間の部会の成果、浮き彫りになった課題を単組の運動強化につなげるとともに、交通当局や自治体、議会等に幅広く発信し、公営地下鉄・路面電車、大阪メトロ、北九州モノレールの存続・発展につなげていくことを意思統一し、会議を終了した。

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