地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会が総会を開催

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地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会が総会を開催

2023/04/14

地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会(交通議員懇)は412日、衆参議員101人(代理含む)の参加を得て総会を開催し、鬼木誠参議院議員(自治労組織内)を事務局長に選出するとともに、地域公共交通(公共交通)再生にむけた課題や政策等について意見交換した。

 

 冒頭、近藤昭一交通議員懇会長(衆議院議員)があいさつし、「コロナによる影響等によりバスやローカル鉄道などの公共交通の存続が厳しさを増しており、地域住民の移動を確保するために、公共交通の再生が喫緊の課題となっている」と強調。「地域交通活性化再生法改正法案(地活化法改正法案)の審議が行われており、本日の総会においても活発な意見交換をお願いしたい」と述べた。引き続き、事務局長に鬼木誠参議院議員(自治労組織内)を選出することを先議した。

 自治労を代表してあいさつした川本淳委員長は、「20244月から自動車運転業務の労働規制がようやく施行される。反面、『2024年問題』といわれる運転者不足による物流への影響が危惧されており、バス運転者不足も懸念される」と指摘。「公共交通の再生には、担い手の確保や自治体の責任、役割など課題は多く、議員懇と連携して取り組んでいきたい」と述べた。

 都市交評の福田智議長は、交通現場の状況に触れ、「バス運転者の不足とともに整備士不足はより深刻である」と指摘し、待ったなしで解決すべき課題であると強く訴えた。

あいさつする福田都市交評議長

 引き続き、都市交評の庭野修事務局長が公営・地域公共交通の現状と当面する課題を提起。輸送人員、収益の回復がコロナ前の8割にとどまっており、依然として厳しい経営状況にあることを改めて説明。その上で、「地活化法の改正で公共交通の再生にむけて自治体の責任や役割が増し、交通専任部署の設置が不可欠である」と強調。さらに、「自治体直営の公営交通は自治体の交通政策にも深く関与しており、地域のこれからの公共交通再生において、公営交通の培ってきたノウハウを十分発揮できると思う。他の自治体の先進事例になることも期待できる」と述べ、公営交通が果たすべき役割がさらに重要になることを提起した。

 このあと、地方自治総合研究所の其田茂樹研究員が「地域公共交通の再生」をテーマに、国や自治体の役割などについて提起。「地活化法の改正法案では国の役割が不明確で、自治体の役割を果たすだけの体制を自治体が整備できているか」、「国は交通体系全般に関するビジョンを示すことが必要ではないか」、「地方交付税(普通交付税)の個別算定項目に『交通』を盛り込むことが必要」などの指摘や提起を行った。

 参加した衆参の議員からは、地域交通の再生のあり方や財政支援の重要性、財源確保策などを中心に発言があり、議論を行った。

 最後に、近藤会長が「地域の公共交通は住民生活にとって必要不可欠。再生にむけて交通議員懇と自治労が連携して取り組んでいこう」と訴え、総会を終了した。

 

《地方自治における公共交通のあり方を考える議員懇談会 役員体制》

    会 長  近藤 昭一 衆議院議員  

    副会長  森山 浩行 衆議院議員

    副会長  牧山 ひろえ 参議院議員  

    事務局長 鬼木 誠 参議院議員  

 

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