公営・地域公共交通の果たす役割と使命 活発な討論で課題を共有

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公営・地域公共交通の果たす役割と使命 活発な討論で課題を共有

2023/05/22

 
5月17~18日、仙台市内において第4回交通政策研究集会(交研集会)を開催した。コロナの影響を受け3年ぶりとなった集会には、19県本部、24単組、132人が参加。「8割の壁」とも言われる輸送人員、収益の回復の遅れが事業経営に大きな影を落としている中での開催となったことを踏まえ、公営・地域公共交通の存続、これからの公共交通のあり方などをテーマに、講演、特別報告、単組報告を受け学習・研さんを深めあった。
集会1日目は、冒頭、福田智都市交評議長が主催者を代表してあいさつ。コロナの影響、感染リスクにさらされながらも、エッセンシャルワーカーとして通勤、通学、通院、買い物など住民の生活を支え、全国で奮闘している都市交評の仲間にエールを送るとともに、運転者や整備士などの人員不足問題、交通労働者の仕事を魅力ある職業に高めることの重要性など当面する課題を提起。集会における活発な討論を通じた課題の共有化、現場での運動の強化を強く訴えた。引き続き、自治労本部の青木真理子副委員長、宮城県本部の菅原浩志委員長より地域公共交通の役割や存続の重要性などについて来賓あいさつを受けた。
庭野修都市交評事務局長の基調提起に続き、地方自治総合研究所の其田茂樹研究員より公営・地域公共交通の財政問題と地方自治体の施策、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協) の慶島譲治事務局長より今国会で成立した改正地域公共交通活性化再生法(地活化法)が大きく関わる地域公共交通の再生、再構築にむけた課題や取り組みなどについて講演を受け初日を終了。
2日目は、バス関係、鉄軌道関係の2つの分科会を開催。バス関係分科会では、はじめに仙台市交通労組が特別報告。東日本大震災時、甚大な影響を被った中で仙台市営バスが帰宅困難者や避難民等の輸送という極めて重要な役割を担ったことを改めて説明し、災害時に公営バスはどのような役割、使命等を果たすべきなのか、労働組合としてどのような対応をすべきか、などについて提起を行った。引き続き、名古屋、長崎、青森の3単組から報告を受け、地域の移動の確保、災害時の公共サービスとしての公営バス(地方の路線バス含む)の役割、利便性向上等の課題を中心に討論を行った。
鉄軌道関係分科会では、地方自治総合研究所の其田研究員より、地下鉄、公営路面電車等の財政問題、国や自治体の支援のあり方、労働組合の役割等について提起を受けた。引き続き、大阪、横浜、東京の3単組から報告を受け、地活化法改正を踏まえた国や自治体の支援のあり方、地下鉄建設費(後年度負担分)やバリアフリー化(メンテナンス費用を含む)等施設の大規模改修工事負担などの財政問題(負担増)への対応、輸送人員の回復策や付帯事業等による増収策、サービス・利便性向上等に関わる施策など、多岐にわたって議論を深めあった。
  
 

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