2020/07/13
現場の窮状を訴える公共サービス民間労働組合評議会の橋本議長
自治労は6月17日、厚生労働省と総務省への要請行動を行った。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響により休業・休館となった指定管理職場・委託職場で働く者の賃金補償のために必要な措置や雇用不安を払拭する対策などを求めた。
公共サービス民間労働組合評議会の橋本議長は、両省に要請書を手交。自治体の指定管理職場・委託職場が新型コロナの影響によって休業・休館し、それに伴う収入減によって、労働者に対する賃金削減が行われないように賃金補償等に必要な財源を措置するとともに雇用不安を払拭する対策などを各省に求めた。
とくに厚生労働省に対しては、高齢者介護施設などの福祉関係職場への感染症対策の支援をはじめ、人員不足解消にむけた速やかな対策を講じるよう要請。介護や障害福祉事業所で働く職員に支給される慰労金については、支給対象職種の拡大を要請した。
厚生労働省への要請
要請項目(重点課題)
①賃金補償等に必要な財源の措置、雇用不安の払拭
②福祉関係職場への新型コロナ対策の支援、人員不足解消にむけた対策
③同一労働同一賃金に基づいた非正規職員の処遇改善
④新たな事業体が参入しても、事業を担ってきた労働者の継続雇用を原則とする法的措置
新型コロナの影響と賃金について、厚労省は「国・自治体にかかわらず、公費で賃金を支払う職場は賃金を減額しない。その他の職場については雇用調整助成金を10割助成している。(事業所には)確実な賃金の支払いを求めたい」と回答。
総務省は「3月に各自治体に事務連絡を発出し、施設において生じた減収は指定管理者に負わせることのないよう、自治体との協議などに基づいて適切に対応するよう助言を行っている」と答えた。
慰労金について、厚労省は「対象については可能な限り幅広い範囲を検討していきたい」と述べた。
総務省への要請
回答を受けて、橋本議長は「コロナ禍で雇用問題が多発しており、引き続き現場労働者の声を受け止めてほしい。私たちの職場の労働条件は当該事業所の労使関係だけでは決定できず、自治体の政策や予算などに左右される。良質な地域公共サービスを提供するためには、雇用の安定と生活できる労働条件のための法整備が必要。引き続き積極的な対応をお願いする」と訴えた。