2017/05/29
(トップ写真)熊本城の被災状況を説明する危機管理防災総室の伊藤暢章技術主幹
PSI(Public Services Interna-tional)は、今秋にスイスで開催される世界大会で、熊本地震の際に現場の組合員がどのような状況下で公共サービスの提供を行ったのかなどを、ビデオで紹介する。
そのビデオ撮影のために、PSI(Public Services Interna-tional)から3人の取材班が来日した。
3人の取材班は、5月21日に自治労熊本県本部の峯委員長、徳冨書記長の同行を得て、熊本市の危機管理課、熊本市民病院、熊本県本部などを訪問した。
危機管理防災総室の伊藤暢章技術主幹は、「風水害に比べて地震については十分な備えがなかったため、職員の参集が遅れ、避難者への対応や被害状況の情報収集の遅れにつながった部分がある」などの課題も報告した。
地震の当時に熊本市民病院で勤務していた山内勝志熊本市監査事務局主席審議員は、「病院の建物被害が激しかったため、患者の病院外へ避難を職員の協力によりわずか8時間で終了させた。その後は、職員全員で今やれることをやるべく、仮設の診療所、避難所巡回、感染対策、エコノミークラス症候群予防、口腔ケアやリハビリテーションの6チームを組んで被災者支援を行った」など、震災の写真を示しながら説明した。
前震および本震の両日ともに、市民病院で救急を担当していた松本あすか看護師は、被災により現在は閉鎖されている病棟内を案内しながら「地震直後は、何より患者さんの安全を確保することで精いっぱいだった。
その後、家族の安否を確認し、職員みんなが落ち着き安心してから患者さんの避難対応を行った」など地震直後の状況を話した。
取材班は、ほかにも熊本市水道局や益城町社会福祉協議会を訪問。その後、福岡県大牟田市に移動し、大牟田市消防本部で働く女性の救急救命士を取材した。