2018/06/07
2018年5月28日から6月8日にかけて、スイス・ジュネーブのパレ・デ・ナシオンにおいて第107回ILO総会が開催され、川本委員長が連合代表団の一員として参加した。
5月29日に開催された基準適用委員会(CAS)において、19番目の個別審査案件として日本の公務員の労働基本権問題(ILO第87号条約「結社の自由・団結権保護」)が審査されることになった。
6月4日18時半からのセッションにおいて、川本委員長は日本の労働側を代表して発言した。川本委員長は、①日本の消防職員と行刑施設職員に団結権と団体交渉権を付与すること、②公務員の労働基本権を保障する自律的労使関係にむけた措置を講じること、③労働基本権を制約する代償機関・措置として不完全な人事院および給与勧告制度などを関係組合との協議により最も適切な仕組みを検討することなどを指摘。根本的かつ抜本的な解決にむけ日本政府の誠実な対応を導くよう、CASで討議され結論されることを強く要請した。
審査の中で、国際公務労連(PSI)のローザ・パヴァネリ書記長をはじめ、シンガポールNTUC、イギリスTUC、ポーランド独立自主管理労働組合「連帯」(NSZZ)・ソリダリノスチ、さらに教育インターナショナル(EI)を代表して、それぞれ労働者の立場から川本委員長の要請を支持する発言を行った。
マーク・リーマン労働側スポークスパーソンは、締めくくりの発言で、「自律的労使関係制度の確立に向け、社会パートナーと期限を設けた協議を早急に開始し、公務労働者の基本的労働権を担保していただきたい。このプロセスは2年以内に完了するよう、2020年までに日本政府は専門家委員会に報告をしなければならない。消防職員と行刑施設職員については、自らの意思で団体を結成し加入することができるよう必要な措置を遅延なく講じることを願う」などと厳しく指摘した。
今回の日本の審査の結果は、6月7日の夕方に採択される予定。
アイキャッチ画像:労働側を代表して発言する川本淳自治労委員長(連合会長代行)