2019/05/28
5月11日から31日にかけて、日比国際児とその母親を支援しているNGO・DAWNが主催する劇団「あけぼの」が来日している。昨年に続き、ミュージカル『クレイン・ドッグ(The Crane Dog)』を大阪・東京・新潟など全国8か所の地域や大学で公演する。ヌキ代表(写真左から4人目)をはじめ、5人の子どもたちとスタッフらが、支援に対する報告を兼ねて自治労を表敬訪問し、舩山国際局長が対応した。
今年2月に23周年を迎えたDAWNは、「社会にはたらきかける女性と若者たち」をテーマに、女性や子どもたちの支援のための様々なプロジェクトやワークショップを展開している。ヌキ代表は、今回の公演ツアーの日程や、来日の目的ついて説明し、あわせて2018年度のDAWNの活動および会計報告も行った。また、フィリピンで母親が製作しているグッズの紹介を交えながら、増え続けるフィリピンからの移住家事労働者について懸念を示し、「フィリピンで自立できる道を支援していきたい」と語った。今回来日した16歳から19歳の子どもたちからは、日本語での自己紹介やそれぞれの夢、はじめて父親に会った時のことなどが語られた。
この物語を通じて、自分たちのことを知ってほしい
犬と鶴の間に生まれた『クレイン・ドッグ(The Crane Dog)』は、自らのルーツを探す旅に出る。その葛藤や困難、そして成長を、フィリピン人の母親と日本人の父親を持つ子どもたちがミュージカル仕立てで演じる。父親がいないこと、会えないこと、一緒に暮らせないことなど、子どもたちの心の傷はなかなか癒えるものではない。このミュージカルは、多くの人に自分たちの存在と問題を伝えていくことで、演じる子どもたちが自分自身を肯定する経験をしてほしいという願いが込められている。