「財政再建」の苦節19年◆地域再生に向かう夕張市◆

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「財政再建」の苦節19年◆地域再生に向かう夕張市◆

2024/05/30

厚谷司夕張市長を激励する石上千博自治労委員長

 4月11日、石上委員長を先頭に自治労「夕張市財政再建」対策委員会が夕張市を激励訪問した。北海道夕張市は「財政再建団体」として現在も国の指定を受ける唯一の自治体。負債総額は632億円だ。2006年に自主再建を断念してはじまった苦難の道のりは、19年目となる。
 夕張市が財政破綻に至った根本的な原因は、国のエネルギー政策転換による炭鉱の閉山、雇用対策としての観光事業への着手などだ。とくに4000戸もの炭鉱住宅を市営化したこと、採掘場が分散しているため行政面積が極めて広く、道路や水道、救急防災体制の整備・維持費が類似団体と比較しても想定をはるかに超える額となったことが大きい。
 国の政策転換による代償を夕張市のみに負わせるべきではない。自治労は政党や省庁要請を展開する一方、カンパを実施するなど、夕張を支援してきた。
 夕張市民、夕張市役所の仲間たちの負担は想像を超えるものだった。市職員は半数、賃金は4割減とされた。夕張市職労委員長らは当時を振り返り、「辞めるも地獄、残るも地獄」と表した。市の人口も2007年の約1万2,000人から現在では6,000人程度とほぼ半数近くに減少。上下水道代も札幌市の倍以上だ。企業を市内に誘致するも、コロナ禍に見舞われ、企業の縮小や工場閉鎖などにも直面している。
 再生計画終了予定の2027年3月は目前に迫る。職員の給与削減率も6%にまで回復した。「今後は必要な職員を確保し、財政再建一辺倒から地域再生との両立へ向かいたい」と展望を語る市職労執行部の表情は、明るい。

夕張市の現状を訴える厚谷市長

機関紙じちろう2024年6月1日号より転載

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