2024/07/16
「しまね自治研」1日目の目玉企画「自治研セッション」に登場する「働き方研究家」の西村さん。
聞いたことのない肩書だ。一体何者か?
スタートはデザイナー。30歳で大手企業を辞めて独立したとき、さまざまな「いい仕事」をしている人に話を聞きまわったことから生まれた名乗りだ。
徳島県の神山町では地域創生に関与。執筆、中小企業の伴走支援、様々なワークショップの主催など、幅広く活動する。
《働く》ことを軸に自治を見つめる自治研集会に、西村さんはどんな新しい風を吹き込むのか。
■働き方研究家・西村佳哲(にしむらよしあき)さん■
(有)リビングワールド代表。つくる・書く・教える、大きく3つの分野で働く。近著は『ひとの居場所をつくる』(2020年 ちくま文庫)
自分の言葉で話す会議を
役場はまちのバックオフィス
―多くの人の《働き方》を見つめてきた西村さん。彼の眼には、自治体職員の仕事ぶりは、どのように写っているのだろうか。
徳島県の神山町と東京の二拠点生活をしたとき、役場の仕事ぶりを見て感じたのは、職員数が少なく、職員1人ひとりが自分の仕事で手いっぱいで、周囲と話し合って何かを創り出す経験が少なくなっているんだな、ということでした。
既存業務を問題なくこなすだけでは新しい仕事は生まれません。ですが、どんな組織にも新しいことを始める人はいるものです。住民がそういう職員を応援して、役場にフィードバックができるといいと思います。
『やめ方を教わり、慣れる』
新しいことを始めるためには、時代に合わない古い仕事をやめる必要があります。ところが、やめるのは難しい。クリエイティブにやめることを、上手にやめた組織から学び、やめることに慣れないといけません。
また、仕事は会議で進みますので、会議のあり方はとても重要です。会議では自分の言葉で話すことが大切です。「誰かがこう言っていた」ではなく、「自分はこう思います」と、自分の意見を言わないと、会議は死にます。
会議には、《共有・拡散・混沌・収束》の4段階があります。ところが、拡散と混沌を恐れて、すぐ収束させようとする会議が多いのです。拡散・混沌を経た結論は豊かなものになります。これを2~3回経験すれば皆できるようになります。
役場はまちのバックオフィスです。企画・総務部門が明るくノリがいいと組織は元気になる。役場の雰囲気が地域の雰囲気を作りますので、とても大事です。
自治研集会は、参加者の皆さんがヨコの交流ができる貴重な場だと思います。私も楽しみにしています。
第40回地方自治研究全国集会
(10月4~5日 @島根)
詳細については、以下サイトをご確認ください。
https://www.jichiro.gr.jp/jichiken/topics/2024/06/2406_bosyuustart.html
(機関紙じちろう2024年7月15日号より転載)