2023/07/03
「休みは取りやすい」「仕事を達成しても褒められない」。現役の自治体職員が職場の実際を語るイベントが開かれた。
6月18日、梅雨の晴れ間となった日曜日の午後。福井市内の繁華街の一角にあるコミュニティスペースに笑い声が響く。
集まっていたのは、自治体を将来の就職先に考えている大学生などと福井市や鯖江市などで働く現役の職員たちだ。
「休みを取りやすい雰囲気がある」「飽きっぽいので異動があるのが助かる」。一方で、「新しいことを始めるためのスピード感がない」「仕事を達成しても褒められることがない」などと職員がエピソードを交えて本音を語ると、初めは緊張していた若者からは笑みがこぼれる。
「率直に民間より公務員を選んだ理由が知りたいです」「副業をしている人がいると聞きましたがいますか」。LINEのオープンチャットに新たな質問が書き込まれると、さらに話に花が咲いた。
「面白くて、いろんな価値観を持つ人が働いていることを知った」「良い面も悪い面も素直に話してくれてありがたい」。参加した学生は最後にそう話した。
イベントは組合員のアイデアをもとに福井県地方自治研究センターが主催。民間企業から転職した経験がある津持優奈さん(越前市職)は「自分の体験が役立てばうれしい。転職を決める前に相談できる場があればもっと良いと思う」と話す。
企画を持ち込んだ西澤公太さん(福井市職労)は「若い職員が想像していた働き方と現実とのギャップに苦しんで辞めていく姿を見てきた。リアルな姿を知った上で職場を選べる機会が必要と感じた」と話した。
自治体の現場を経験してきた一人ひとりのリアルが、これから社会で活躍する若者の背中を押す。
機関紙じちろう2023年7月1日号より転載