2024/11/01
(左写真から)島根の郷土芸能・さだ須佐太鼓のパフォーマンス、しまねsuper大使「吉田くん」と島根県観光キャラクター「しまねっこ」
自治労は10月4~5日、松江市を中心に第40回地方自治研究全国集会を開催し、2700人が参加した。島根での開催は1977年の第17回以来2回目。地域課題を新たな価値に変える取り組みを続けてきた島根の地で、約半世紀ぶりの自治研集会がかなった。
地域や社会をより良い方向へと少しずつ変えていく実践の場としての意味を持つ「地方自治研究活動」。その日頃の取り組み成果が集結したのが、今回の「しまね自治研」だ。集会は、自治労本部・石上千博委員長の主催者あいさつ(要旨左囲み)により開幕。
続いて、地元実行委員会から自治労島根県本部・須田晋次委員長、連合島根・成相善朗会長、島根県・丸山達也知事、松江市・上定昭仁市長が歓迎のあいさつを述べた。
「チャレンジサポート」活動実績報告、自治研賞の表彰に続き、自治労本部・氷室佐由里政策局長が基調提起を行った(下段参照)。
午後は、島根の郷土芸能・さだ須佐太鼓を歓迎アトラクションとして再開。目玉企画の自治研セッション「1%の仕事から考える。課題が価値に変わるとき」では、働き方研究家・西村佳哲さんがファシリテーターとして登壇。立教大学准教授・藤井誠一郎さん、自治労東大阪・前田誠さんとトークを展開した(別記事参照)。
西村さんは、およそ3時間に及んだプログラムを巧みな話術で盛り上げ、セッションの合間に「ここまでの話、どう聞いた?」のコーナーを差し込み、近隣の参加者同士が気軽に交流できるよう促した。
メインイベントと並行して、会場内ではさまざまな関連イベントが催された。前述の前田さんによる災害時トイレの実技講習会や、昼食弁当の余りをなくすため、食べてくれる人を会場の参加者から募り「フードロス・ゼロ」の取り組みを推進した。
2日目は、7つの分科会と2つの特別分科会に分かれ、学びと交流を深めた(別記事参照)。
自分に結びつなげる《何か》を見つけ持ち帰る自治研集会に(主催者あいさつ:石上千博中央執行委員長)
今年6月の地方自治法の改正で最大の焦点となったのは、大規模災害や感染症まん延時などの事態に国が地方に対し「補充的な指示」を出せるようにするといった内容です。「地方自治」という理念に対する社会的な興味が薄れてしまっている事実を、私たちは認めざるを得ません。
地方自治を担う私たち個々人も、日頃から地方自治、住民自治に軸を置いた仕事を意識できているでしょうか。厳しい環境が、私たちから地方自治を問い直す、また地方自治を意識する機会をも奪ってはいないでしょうか。
しまね自治研は「結びつなげる」をテーマにしています。皆さんは、この自治研でご自分に何を結びつなげるのでしょうか。それは、地方自治のあり方でしょうか。地域住民とのかかわり方でしょうか。仲間との交流でしょうか。
参加された皆さんが多くの仲間との交流と活発な議論を行い、職場・地域にここでの経験を持ち帰り、何かに結びつなげていただくことをお願いします。
【第17回地方自治研究賞】優秀賞(活動部門)は川崎市職労(神奈川)に
優れた自治研活動の実践と研究論文を表彰する自治研賞は、活動部門で神奈川・川崎市職労ほかの「『川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例』制定と今後の課題」と題するレポートが優秀賞を受賞した。研究論文では東京・都庁職の縄田大輔さんの「安くて美味しい直営給食のススメ」が優秀賞を受賞した。
【基調提起・見どころ紹介】静岡、島根、福井へと「自治研ルネッサンス」
真っ暗な会場の中、一筋のスポットライトに氷室佐由里政策局長が浮かび上がる演出。会場内を壇上へと歩みながら、「自治の再興」と2年前の静岡自治研からスタートした「自治研ルネッサンス」をアピールした。
分科会の案内動画の上映、関連イベント企画を中心メンバーが登壇して紹介した。
【チャレンジサポート報告】学生と協同で地域情報を収集・共有するアプリ開発
2022年の静岡自治研で優秀企画賞を受賞した神奈川・相模原市職労が「大学生と協同!自作アプリで地域情報を収集・共有」の活動報告を行った。
そろいのはっぴで登壇した大学生を含むメンバーが、グーグルのサービスを用いて安価で簡単なアプリを開発し、地元の課題解決の活動を行った様子を、生き生きと発表した。
(機関紙じちろう2024年11月1日号より転載)