2023/05/18
相模総合補給廠「西門」への通り。冊子の表紙のように座り込みのテントが埋めつくした通りの両側は今では桜並木になった。(上写真と書影)
ベトナムにむかう米軍の戦車を市民が止めた「戦車闘争」。相模原自治研センターはその歴史をまんがで語り継ぐ。
相模原自治研センターは4月、まんが冊子「西門であいましょう│戦車闘争からのメッセージ」を発刊した。「戦車闘争」(最下段解説)から50年の節目に、たたかいの意義を若い世代に語り継ごうという取り組みだ。
同自治研センターでは、2019年に「戦車闘争」の資料・情報収集と継承の事業に取り組むことを決定。(一財)自治労会館の地方自治研究センター・研究所への研究助成金を活用し、報告集を完成させるとともに、2022年にはそのエッセンスをブックレットにまとめた。
今回、その内容を若い世代にもわかりやすく伝えるため、まんがで冊子を作成した。描いたのは市内在住のセミプロの20代の女性。当時を知らない世代の目線で描いてもらうことを意図した。まんがは相模原市、横浜市、東京・町田市の図書館に寄贈した。今後、学校等での活用もめざす。
「戦車闘争は、今日の市民ぐるみの基地返還・まちづくり運動に引き継がれている。その歴史を記録し保管する受け皿でありたい」。同自治研センター理事長で相模原市職労委員長も務める武田秀雄さんはそう話す。「今日ではデモ行進しても、周囲の反応は冷ややか。でも当時は全く違った。起ちあがった市民がいて、そこから大きな運動に発展した。そういう時代があったことを、今の人たちにも知ってほしい」と言う。
「ブックレット」とまんがの購入申し込みは、下記、「相模原自治研センター」のホームページへ。
相模原「戦車闘争」
ベトナム戦争末期の72年、米軍・相模総合補給廠で修理されベトナムに返送される戦車の搬出を市民が止めた闘争。行動は100日間に渡り、市民の座り込みには支援の労働組合や学生らも参加。闘争現場の「西門」前は一般市民と闘争参加者の交流空間となり、反戦平和の共感が拡がった。
(機関紙じちろう5月15日号より転載)