2024/10/29
10月27日、第50回衆議院選挙の投開票が行われました。選挙結果に対する自治労見解を掲載します。
第50回衆議院選挙の結果に対する見解
1. 10月27日、第50回衆議院選挙の投開票が行われた。
組織内候補は、逢坂誠二(北海道8区・立憲)、波多野翼(福井1区・立憲)、新垣邦男(沖縄2区・社民)の3人が当選した。また、政策協力候補は、大築紅葉(北海道4区・立憲)、石川香織(北海道11区・立憲)、金子恵美(福島1区・立憲)、西村智奈美(新潟1区・立憲)、福田昭夫(栃木2区・立憲)、大島敦(埼玉6区・立憲)、本庄知史(千葉8区・立憲)、後藤祐一(神奈川16区・立憲)、近藤昭一(愛知3区・立憲)、泉健太(京都3区・立憲)、北神圭朗(京都4区・無所属)、小川淳也(香川1区・立憲)、玉木雄一郎(香川2区・国民)、吉川元(大分2区・立憲)、渡辺創(宮崎1区・立憲)の15人が議席を獲得した。
この間、全国各地で、組織内候補・政策協力候補をはじめ、すべての推薦候補の必勝にむけて、ご奮闘を重ねていただいた仲間の皆さんに、深く感謝と御礼を申し上げる。
2. 結果として自民党は、改選前の256議席を大きく下回る191議席、公明党は24議席と、与党で過半数を割り込む結果となった。野党は立憲民主党が改選前の98議席を大きく上回り、148議席を獲得するに至った。その他、国民民主党が28議席、社会民主党が1議席、れいわ新選組が9議席、日本共産党が8議席、日本維新の会が38議席を獲得するなどとなった。
3. 石破首相は、自民党総裁選では早期解散に消極的で、国会論戦において有権者に新政権の判断材料を与えるとの姿勢を示していた。現に、物価高対策のほか、石川県能登半島の復旧・復興、裏金問題の真相解明など、議論すべき政治課題が山積していたが、自民党内の党利党略による早期解散圧力に押され、石破首相は言を翻し、国会論戦を行わずに、首相就任から戦後最短での衆議院解散、総選挙を強行した。
また、自民党は裏金事件への国民からの批判を受けて、裏金議員の一部非公認、比例代表重複立候補を認めず、「深い反省」のもと「けじめ」をつけたとアピールしていたが、選挙戦終盤には、非公認となった候補者の政党支部にも党勢拡大のためとして2,000万円を支給していたことが明らかとなった。石破首相が所信表明で語った「国民の理解と共感」とは程遠く、有権者を欺くような言行不一致が明らかとなったことにより、石破政権・自民党に対する国民の忌避感が増大し、この間の自民党政治・政策への不信・不満も相まったことが今回の結果につながったと言える。
他方で、立憲民主党は、「政権交代こそ最大の政治改革」をスローガンに選挙戦を展開し議席を大幅に増加させたほか、国民民主党も議席を伸ばした。しかし、立憲民主党と国民民主党の競合区が未だ在るなど、連合の求める両党の連携という観点からは課題も残った。
4. 来月上旬にも特別国会が召集され首班指名選挙が行われる見込みだが、与党で過半数を割り込んだことにより、今後、与野党での多数派形成が活発化することになる。連立政権を模索することも考えられるが、立憲民主党や国民民主党は先の臨時国会で内閣不信任案に賛成しており、数合わせの連立政権への参加は有権者への背信・裏切り行為に他ならないと強く指摘しておく。
また、憲法改正や軍備増強など国の根幹に関わる事項に関して言えば、肯定的な野党勢力が伸長しており、今後の政治動向について、強く危機感をもって注視しておく必要がある。
5. 今回の選挙結果はまさに、政権交代にむけた端緒となるものであるが、自民党の「敵失」によるところが大きく、野党第一党である立憲民主党が国民から十分な政権の選択肢と認められているとは必ずしも言えない。
国民が求めるのは緊張感ある政治であり、この流れを止めないためにも、来年7月の第27回参議院選挙が極めて重要となる。立憲民主党には、国民の生活に直結する政策のほか、経済政策や社会保障、安全保障など、石破政権の政策への対立軸を打ち出し、めざすべき社会像を明確に示した上で、国会における政策論争の展開を通じて、国民から負託に値する政党とより認識されるよう取り組むことを強く期待したい。
自治労としても、引き続き、中道・リベラル勢力の拡大をめざし、立憲民主党の党勢拡大を追求するとともに、地方自治を守り、地域で働く地域公共サービス労働者の声を国政に反映させ、働く者の生活改善のための政策を実現するとの観点にたち、政治活動の意義を組織全体で共有化し、本日から第27回参議院選挙にむけた取り組みを加速していかなければならない。
我々の代表である組織内候補予定者『岸まきこ』の必勝にむけ、自治労組織の総力をあげて取り組んでいこう。
2024年10月28日
全日本自治団体労働組合
中央執行委員長 石上 千博