2024/02/15
上野友里子(うえのゆりこ):徳島国保労組出身。2023年、自治労本部法対労安局長に就任。手に持つ冊子は左から「パワハラ対策マニュアル」「職場点検活動の手引き」「カスハラ対策マニュアル」。右手には自治労の労安活動のキャラクター「危険カモ」。両マニュアルは【こちら】のページからダウンロードできる。「手引き」は本部総合労働局まで
カスタマーハラスメントの増加などで重要性が増している労働安全衛生の取り組み。担当の上野友里子法対労安局長に、取り組みの進め方を聞いた。
労安は労働組合活動の基本
労働安全衛生活動は労働組合にとって、賃金・労働条件と並ぶ基本的で重要な取り組みです。
労使で構成する安全衛生委員会は法律で設置が義務付けられ、月1回の開催が必要とされます。しかし、委員会が設置されていない自治体や、月1回以上の開催がされていないなどの実態も指摘されています。
「毎月委員会を開くだけの議題がない」という声があります。しかし、毎月の超勤時間や年休取得の実態を当局から示させ、解決策を協議する、定期健康診断の受診状況をチェックする、衛生管理者や産業医の職場巡視結果の報告なども、十分に議題になります。労働組合が、安全衛生委員会に働きかけることが大切です。
『カスハラ』など対策強める
地方公務員のメンタル疾患による1カ月以上の病休者は、職員10万人当たり2,142.5人で、10年前の約2倍となっており、深刻な状態です。職場の人員不足による多忙化、これらを背景としたパワーハラスメントの増加などが要因と思われます。
社会的問題になっているカスハラについては、春闘期の課題に位置づけ、単組は実態調査などに取り組みます。
「職場の仲間をいたわり、寄り添う」ことも労働安全衛生活動のひとつです。1人で抱え込まずに済むように、疲れていそうな人に声をかけることから、コミュニケーションが生まれ、働きやすい職場になります。多くの仲間が参加する労働安全衛生活動を進めましょう。
2月7~8日に開いた2024年度労働安全衛生講座で、単組の労安活動の成果や課題についてグループ討論する参加者。2日目はカスハラ対策、公務災害の法制度について学習した。
機関紙じちろう2024年2月15日号より転載