2022/12/19
自治労は11月21日、2023年度予算編成に関わる総務省要請を実施し、青木副委員長等6人が出席、総務省からは原邦彰自治財政局長が対応した。
冒頭、青木真理子副委員長があいさつ、「2023年度の予算編成では、市民生活の維持、地域経済の再生に資する予算編成に尽力いただきたい」とした。
具体的な要請項目については氷室佐由里政策局長が説明。①増大する地域の財政需要を的確に地方財政計画に反映させるため、地方一般財源総額の維持にとどまらず、より積極的な確保を行うこと、②地方創生臨時交付金など、新型コロナウイルス感染症対策としての財源について感染状況に応じて必要な額を確保すること、③マイナンバーカードの交付率を地方交付税の算定方法に反映させないこと、④対人サービスとしての社会保障など、増大する地方自治体の財政需要を踏まえ、必要な人員を配置できるよう地方公務員の総人件費を十分に確保すること、⑤基準財政需要額の算定にあたり人件費を充実するよう改めること、⑥会計年度任用職員の処遇改善のため引き続き所要額の調査を行うなどし、財源の確保に努めること、などの重点項目を詳解した。
とくに、マイナンバーカードをめぐる課題について氷室局長は、「交付率が上がらない原因は自治体の努力不足にあるのではなく、セキュリティへの不安や利便性への疑問などにあると考えている。そもそも自治体の責務にあたらないところで交付税に差が出るのはおかしい」と強調し、地方交付税の算定方法にマイナンバーカードの交付率を反映させないことを重ねて求めた。
原自治財政局長は、「自治労の皆さんとは同じ方向を向いている」とした上で、とくにマイナンバーカード交付率の交付税への反映については、「少し誤解がある。カードの普及によって生じる財政需要に対応するもので、政策誘導やペナルティの趣旨は毛頭ない」とした。それに対し氷室局長は「高齢者が多い地域などカード交付が難しい自治体もある。にもかかわらず交付税に差がつくのは、自治体の受け止めとしては納得しがたい」と重ねて要請した。
自治労はこのほか、財務省、厚生労働省、地方三団体、立憲民主党をはじめとする各政党に対し要請を行い、来年度予算編成における自治労要求の反映を行っている。
※機関紙「じちろう」第2332号(2022年12月11日発行)より転載