評議会発
全国一般評議会2020春闘中央討論集会開催
賃上げとともに 組織強化・拡大を
全国一般評議会は、12月15~16日、東京・自治労会館において2020春闘中央討論集会を開催し、約80人が参加した(集会議長・服部副議長/岐阜)。
評議会を代表してあいさつに立った福島議長は、国内外の政治情勢をはじめ、「働き方改革」が「働かせ方改革」となりかねないことへの懸念やウーバーイーツなどあいまいな雇用の問題、「桜を見る会」に象徴される安倍政権の横暴などについて触れながら、2020春闘では賃上げとともに労働環境の見直しについても強化していくべきと述べた。
自治労本部からは、高橋副中央執行委員長、公共民間評議会の橋本議長からあいさつを受け、働く仲間が助け合いともにたたかい連携できる春闘にしていこうと呼びかけた。
<2020春闘方針草案、春闘調査報告>
この後、亀﨑事務局長より、賃金引上げや労働条件の改善にむけた2020春闘方針草案の提案と、2020春闘にむけた賃金実態調査、生活実態アンケートの結果報告を行った。調査について、例年は討論集会では「中間」報告としていたが、今年は回答集約を11月中の1回のみとしたため、集計に間に合わない回答も一定数見られた。次年度以降もこのスケジュールで調査を進めていくため、提出期限への理解と協力を改めて求めた。春闘方針については、討論集会での意見を踏まえ、2020年1月の地方労組代表者会議で提案する。
<企業ファーストな「働き方改革」に警鐘>
ジャーナリストで和光大学名誉教授である竹信 三恵子さんが「企業ファースト化する『働き方改革』」と題した講演を行った。竹信さんは、「働き方改革」という耳当たりのいい言葉の実態は、米国の要求に応えて使用者側に重きを置いた内容であり、労働者視点が欠けていることを指摘。残業の上限規制は過労死寸前ぎりぎりの設定、一億総活躍社会の意図は女性や高齢者を「使用可能な人的資源」として使うこと、同一労働同一賃金は基本給の是正なきままの議論であることなど、真の意味での働き方改革から遠い内容であると警鐘を鳴らした。
<特別報告と参加の全地方労組からの発言>
集会2日目、4地方労組から特別報告を受けた。大阪からは未組織労働者の組織化の報告、福岡からは継続的に取り組んでいる反戦平和の運動、福井からは連合の春闘方針や春闘の在り方への見解、岐阜からは外国人労働者問題への取り組み報告を受けた。
この後、参加した全地方労組から、各県の課題や取り組み等について発言を受けた。全地方労組からの発言を求めるのは今回が初めて。各地からは、組織の維持が厳しいなか組織拡大につなげることの難しさ、財政健全化の課題、役員の後継者問題など、共通する課題が見られた。また、連合への意見、大企業の春闘結果開示の必要性、自治労との連携の状況、平和運動に関する取り組みなどの発言・報告もあった。ほか、争議の状況報告や、台風の被害県からは支援へのお礼の発言もあった。
最後に、2020春闘での勝利にむけて全体で意思統一し、福島議長の団結ガンバローで集会を締めくくった。