地方労組発
石川地方労組ニュース
2021春闘団交を開始!
要求実現、早期解決めざしてともに奮闘しよう!
3月5日を中心に、19の支部分会において、春闘要求を提出してきた。3月10~12日には、全国一般石川執行部による「春闘回答促進行動」を実施し、各経営者に要求実現と早期解決を申し入れてきた。この際、自動車学校部会役員とともに、自校の集団交渉申し入れと職場激励にも取り組み、今春闘に備えてきた。そして現在、大同テクノを皮切りに、順次、団交を開始している。
「コロナ禍」を口実とする賃上げ抑え込み反対!
3月17日は、自動車・電機などの大手の回答が集中的に出された。一方では「満額回答」と報じられながらも、他方でベースアップなし、昨年比マイナス、一時金ダウンなど厳しい結果も出ている。業績の回復傾向にある企業においても、「コロナ禍」を理由とする厳しい回答が示されている。
経営者の多くは、たとえ業績が良かったとしても「コロナ禍」をふりかざし、賃上げ抑え込みを公言している。実際に、先日の「回答促進行動」においても〝業績は良いがコロナだから賃上げは難しい〟と語る経営者もいた。
いわゆる「コロナ禍」の中で、働く者の生活は厳しさを増している。そもそも私たち中小労働者の賃金水準は社会的には低位にある。 今春闘はまさに生活の厳しさと将来不安を解消するためのたたかいにほかならない。コロナだから仕方ないとはせず、私たちの要求をしっかりと主張しよう。業績の低迷などを理由とする低水準の回答が示されるのであれば、財務諸表の開示を求め、経営分析を行いつつ、私たちの生活の向上をはかるための回答を粘り強く求めていこう。
春闘をたたかう中で新たな仲間の組合加入をめざそう 門前サンケン闘争勝利!
あわせて、様々な労働条件の改善、職場要求の実現にむけても取り組んでいこう。とりわけこの四月からは、「同一労働同一賃金」が中小企業でも施行される。それ自体は問題の多い制度ではあるが、こうした新たな制度も活用しつつ、職場の非正規雇用の仲間の処遇改善にも取り組もう。組合に入っていない仲間であれば、全国一般に加入し、ともにたたかうことを追求しよう。
また「事業再編」に伴う首切り・労働条件の切り下げ反対!に取り組む門前サンケン支部の仲間ともにたたかっていこう(別掲参照)。
働く者に犠牲を押しつける菅政権を打ち倒そう!
「コロナ禍」で百万人超と言われる実質失業者が生み出されている。収入減をがまんせよ、外出も控えよとくりかえす菅政権は、わずかな生活保障、事業保障しか給付しない。「緊急事態宣言」を渋々出したものの、東京などでは感染者数は下げ止まりとなり、増加傾向さえ出ている。変異ウイルスの拡大もあり第四波へのリバウンドの危険が叫ばれている。医療従事者への負担は根本的には何も解決していない。
しかも菅政権は、米・バイデン政権に従い、中国を主要な敵と位置づけ、日米軍事同盟の強化、軍事力の増強に巨額の予算をつぎ込み、「戦争のできる国づくり」を着々と進めている。
私たちは、この春闘の中で同時に政府の国民に犠牲を強いるあらゆる政策に反対し、生活、権利、平和を守るため、菅政権NO!の声を大きくつくりだしていこう。ともにがんばろう。
門前サンケン 通勤バスを継続する方向で検討
工場閉鎖に伴う労働条件の不利益変更を許さない!
門前サンケン支部は、会社が来年3月に町野工場を閉鎖(内浦工場と統合)する方針について、昨年2月以降、団体交渉を重ねてきた。これはサンケングループ事業再編に伴う事実上の大量首切り攻撃であり、組合は雇用と職場を守るために闘ってきた。
しかし、昨秋、会社は多数派の別組合との合意をタテに、全国一般との合意なく「特別早期退職制度」という名の選別的解雇を強行。現場の生産体制も閉鎖・移管にむけ既成事実化が進んできた。こうした中、組合員が働き続ける諸条件を会社との間で具体化すべきと判断し、年明け後、各種労働条件の不利益変更に反対する闘いに軸足を移した。
通勤バス継続は会社の義務
通勤バスは、門前工場閉鎖時の和解協定書(2013年協定)、直近の勤務時間変更時の協定書(2019年協定)で「女性組合員の通勤バスを従来通り継続する」と締結した、組合員の雇用の根幹を支える最重要の労働条件の一つである。
会社は、年明け1月の団交で「通勤バスは行わない」と固執。13年協定に「当面」とあるので、町野工場閉鎖後には引き継がないとの理由だった。他方、19年協定の履行については、会社は「違和感ある」(川端社長)と明確な回答ができなかった。
組合員の団結強化
この団交後の2月以降、組合は執行委員会、職場討議を開催し、会社の対応の理不尽さを組合員全体で怒りをもって確認。会社が工場を閉鎖し、片道50㎞を超える通勤を強いる異動を求めているにもかかわらず、通勤バスを一方的に廃止するなど許されるはずがない。
第9回団交にむけ、支部組合員一人ひとりが会社経営陣に対する怒りの一言を書き、組合の抗議文として提出。団交には地本の中川執行委員長が出席することを会社に通告。また、各支部分会の仲間からは支部に対する支援・激励メッセージを次々と頂いた。それらは町野・志賀工場の組合掲示板に所狭しと掲示された。
社長が「継続する方向で検討する」と回答
こうした連日の取り組みを経て、3月9日、第9回団交で川端社長は「会社は何回も協議を重ね、(通勤バスを)継続する方向で検討することにした」と回答。慎重姿勢でなお予断を許さないが、前回団交で固執した姿勢からの変化は、組合の団結した闘いの結果であり、一歩前進である。その他、内浦工場の組合事務所の新設なども回答された。
ここが闘いの正念場
今後、4月中にかけて3回の春闘団交が予定されており、この工場閉鎖問題の団交も併せて行うことを会社と確認している。さらに支部の仲間の団結力を強くし、「私たちは会社の道具ではない!」「会社は2019年協定を履行せよ!」の声を大きくし、闘いをつくりだしていかなければならない。引き続き地本の仲間の支援をお願いしたい。
春の「組織拡大行動」を展開
春闘の準備と並行して、私たちは「組織拡大行動」に取り組んできた。2月から3月にかけ、各支部分会の協力の下、県下各地域において、労働相談をよびかけるビラを戸別配布してきた。また二月末には金沢市において、街宣車を出して、社民党県連合の議員団とともに、呼びかけを行ってきた。また3月6日から8日の3日間は「特別労働相談」に取り組んだ。
戸別配布したビラを手にした人からは生活苦の訴えがあった。連携する社会保険労務士さんの力も借りて対策にあたり、「労働組合に相談してよかった」との感想も寄せられた。また経営者の理不尽な人事や施策に抗議するために、労働組合の結成についての相談もきた。
現在、とりわけ「コロナ禍」の下で多くの労働者が苦しい現状にある。解決の道が見えず悩んでいる未組織の仲間の相談先となるよう活動を継続していく必要がある。全国一般に加入し、自らの雇用・賃金・労働条件そして権利を守るためにともにたたかうことを引き続き呼びかけていこう。